論壇時評(3) 03/10/2011
平川祐弘氏は一高で不破哲三と同室だったそうである。同室になると何故同じ思想に染まるのかわからないが、同級生で共産党の活動家になったのは少なくなかったという。熱心な活動家の一人はのちに共産党に除名されて不遇な一生を送ったと書いてある。除名したのは不破だろう。
だいたい日本共産党に除名されて何が不遇なのか。もっけの幸いではないか。ソ連や中国のように殺されるわけじゃなし、不毛な思想団体から解放されればあとは好き勝手なことをすればよい。二十世紀に一億人を必要もなく虐殺した政治思想にそこまで恋い焦がれるとは。複雑に悩む問題だろうか。
東大生には不立文字や以心伝心などという言葉は届かないのかな。資本論や共産党宣言に書いてあることは偽りではないかと想像することはできないのか。製本されている書物にはすべて正しいことが書いてあると思い込んでいるのだろうか。正法眼蔵と仏典以外はどれもこれも疑わしいと解ってくると、文字を信仰する人物とその心構えがあほらしくなってくる。
プラトンはなぜ偉大なのか?それは彼がアカデミアという学校を作ったからだ。アカデミアは九百年続いた。その間多くの学生が巣立ち、プラトンの学説なるものを伝えた。プラトン哲学や論理を学んだのだが、卒業したら教師となって教えた。創立者であるプラトン、学校を作ったプラトンは褒め称えられた。
アカデミアは教師資格を授与するところであった。学生は真理よりも就職に関心が強かっただろう。真理の根拠そのものは深く追求されなかった。普通の学校教育は真理の発見と伝達とは関係が薄いように思われる。プラトン自身が得たものは真理の影だと自ら言っている。
真理を本気で追求し解明に成功したのは、インド文明と日本文明だ。坐禅と仏教、古事記と万葉集、そしてサンスクリットと日本語だ。
東大信仰と朝日信仰、その信仰心を利用して赤旗が「世界」を通して朝日新聞に食い込んだ。朝日は戦後、マッカーサーが日本解体を目標にしていることを察知して、いち早く社是を変更した。旧経営陣が去った後に復員した社員が赤旗を振って幅を利かせた。岩波書店と同じだ。ところが朝鮮動乱でマッカーサーは、本当の敵は日本ではなかったと悟った。解体弾圧の標的が一夜にして反転した。それ以来朝日新聞社は反米なのだそうである。
この頃やっと、世の中の動きが見えてきた気がする。その最大の理由は朝日新聞を読まなくなったことだ。この新聞を読んでいる間はいつも頭痛がしたし、いくら読んでも物事の解決策は見つからなかった。世界とは、社会とは、国家とは、人間とはなど幾多の設問があるが、朝日からは混乱しか得なかった。真理の報道を明言しながら実は真理の探究を邪魔していた。
朝日新聞が推奨する総理大臣は例外なく愚劣だった。朝日が反対する政治家には見識ある人物が多い。強力に支援されて首相になった鳩山由紀夫氏の末路は明らかだ。応援する内閣がいずれも短命なのもわかる。破壊思想を振り回すばかりで長期的な建設目標はない。まず破壊!全共闘の同級生が絶叫した。
四十年間の愛読、精読、熟読の結論として、朝日は何事ももっともらしく扇動するのはうまいが、その結果としてトラブルが起こった時に解決策は持ち合わせない。都合が悪くなると逃げ回りごまかすばかり。せいぜい「話し合え」というだけだ。北朝鮮に渡った人の九割は朝日新聞の地上の楽園宣伝を信じて帰還を決断したという。それは済んだ話かもしれない。現在は、引きこもりや、登校拒否や、家庭内暴力が問題か。暗い問題で悩む家庭を訪問すれば、朝日新聞が積んである可能性は高いだろう。
終わり
P/S ; 2019年から振り返れば、なぜ朝日新聞に入れあげたのか不思議に思われる。それは世界や人生の見通しがついたからだ。何が大切で何が価値がなく、虚偽と偽物か解ってきた。敗戦の影響や西洋思想の侵略が問題を複雑にした。情報を得て勉強しなければならないが、何を追求すればよいかもわからない青春時代だった。朝日は身近にあって少し上の理想を示しているように見えたので食いついた。
ときどき他紙を読む機会があったが、朝日の文章は抜きん出ていた。他の新聞はアジビラや明からさまな宣伝が多かった。文章の質の高さで信用していた。
「中国の旅」が連載されると朝日新聞は読めなくなった。生活環境が激変したのも手伝って数年間新聞から離れた。悪意ある偽物は読まないと直感が拒否したとしか言いようがない。読書も新聞もほんとうは客観的な真理を伝えるものではない。
現今は朝日の文章の質は低下した。朝日の主張の反対が正しいと言われるまでになった。ネットの普及が朝日の嘘を完膚なきまでに暴いた。社是が間違っていると最後は嘘ばかり垂れ流し文章の質まで低下する。間違った人生観から始まると個人の人生も同じような道をたどる。しなくてよい回り道をしてしまった。