天皇の祈り(1) 05/20/2011
平成二十三年三月十一日(2011)、東日本大震災が発生した。大津波、原子力発電所の事故が続いた。M9.0と正式発表されたが、千年に一度の大地震だった。アメリカのマスコミも連日トップ記事で報道した。日本が無くなるかもしれないほどの危機感が生まれ、アメリカ軍も救助に駆けつけた。ロ中韓は軍隊を移動させて侵攻の機会を窺ったとされる。
三月末のある夜、YAHOOのホームページに汚い金庫の写真が載り、被災地近くの警察に届けられた金庫群と説明があった。写真をクリックすると説明が続き、数百個の金庫が警察に届けられた、遺失物保管場所だけでは足りなくなり、別室に山積みされて居るという。落し物がなぜニュースになるんだろうと不審になって下方にスクロールすると書き込みがあった。視聴者が感想を書き込める仕組みになっていることを知った。五百件ほどの書き込みがあり、面白くなって読み始めた。
* 金庫を警察に預けるなんて気が狂っている。警察が盗ってしまうじゃないか。
* 所有者名無しの封筒に入った現金まで届けられている。信じられない。
* カトリナハリケーンの時警察に預けられた金庫は何件あったか知ってるかい。0件だったよ。
* 日本人が現金を身近に置いておくのは社会の仕組みが違うのじゃないだろうか。アメリカ人はカードを使うから現金を持っていない。
* 金庫(SAFE) が預けられるということは少なくとも安全 (SAFE) なところね。私も日本に移住したい。
* しまった!三陸海岸の救援隊に志願しなかったのは一生の不覚だった。
* 日本人も銀行を信用していないってことさ。
* アメリカなら二万五千人の被災者が出た後で、海岸に暴動で五万人の死者が横たわっているだろう。
* アメリカだって道徳性は高いさ。ただカトリナハリケーン(ニューオーリーンズ)の時は貧困地域だったから恥を晒した。
* 写っている金庫のうち緑と赤は私のものよ。
* 十五個のうち九個はオレのものなんだけどな。
* 死亡した人も多いだろう。どんなにして持ち主を探すのだろうか。
* 半年経ったら届け主のものになるそうだ。
* アメリカにも同じような法律はあるのよ。違いは途中で盗られること。
* 災害復興の資金は金庫に眠っている。復興はまちがいなしだ。
* なぜ日本がなんとなく上手くやっていくのか不思議だったが、謎が解けた。
* Rising Sun! 素晴らしい。
* 吾々は教訓を学べるか、無理だよな。
* アメリカで事故や災害が起これば警察と消防隊の二つを派遣する。盗難や略奪をしないように互いに監視させるわけだ。
* あの金庫には何が入っているのかしら、開ければ所有者がわかるのに。
* 開けたってわかるとは限らないよ。暗証番号仕様のもあるし。
* いや最近はデジタルもある。デジタルは電池が切れたら開けられなくなる。
* オレは鍵屋だが、カトリナの経験からすると浸水した金庫はダメだ。防水でないと錠も腐って開かなくなる。
* これは人種差別よ、誰がニュースにアップしたの。アメリカが惨めに見えるだけじゃないの。
* 日本でも盗みはあったと聞いているぜ。戦前の残虐行為を思い出せ。
* 私は日本に数年いたけどいいことばかりじゃなかったわ。イギリスの女性が殺されたの覚えているでしょ。
ユーモア溢れるコメントにつられて二時間ばかり読み進んだ。良いも悪いもひっくるめてアメリカ人の開けっぴろげな発言がおもしろい。表現の自由を満喫している。ふと見ると書き込み件数は七百を超えていた。二時間で二百件、アメリカ人の琴線に触れるところがあったのだろう。
五月十四日、近くの大学でJAPAN DAY があった。日本語クラスの学生が募金運動のため立ち上げたそうだ。素人づくりの飾り付けが微笑ましい。
そこで八十歳過ぎの女性に会った。
「主人が日本からはじき出されたので一緒にこちらへ来ました。日本は大変ですね。外国が攻めてきたらどう対応するのでしょうか。だからアメリカはいち早く空母を派遣したのでしょうね。政府と東電はダメです。
お坊さんですか。この歳になると一神教はいやです。ギリシャ神話の方が身近に感じられます。周りの自然に感謝するのが性に合っています。アニミズムと言うんですか。死んだらどこでも散骨してもらえばいい、無宗教です。
天さん、天皇陛下のことですけど、うちでは天さんと呼んでいます、メッセージをテレビ放送されました。昭和天皇の玉音放送以来だそうです。略奪が起こらないというニュースも聞いています。アメリカ人は驚いています、なぜかって?日本人はプライドがありますでしょ。」