天皇の祈り(4)

天皇の祈り(4)     05/20/2011

マッカーサー回顧録には、昭和天皇が初めてGHQ本部を訪れた時、その高潔な人格に感銘を受けたと書いた箇所がある。日本人には耳触りがよい。一方、自分の回顧だから自己宣伝とする人もいる。
昭和天皇が大戦後なぜ天皇位を続けられたか、つまりなぜ日本の国体が守られたのか、本当の理由をアメリカは公表しない。第二次大戦に関する最高機密だ。連合国軍最高司令官が影響力を行使したからだと推測するのは自然だろう。OSS (CIAの前身) が早い段階で戦後政策を考えていたからだと主張する田中英道氏もいるが、情報機関とはいえ大激戦あとの政体まで見通せるか疑問だ。
マッカーサーに対する好印象は批判してはならないとする報道検閲の所為が大きい。実際にしたことは検閲、戦犯処刑や憲法実施をはじめとして国際法違反ばかりだった。日本を毀損することばかりだった。昭和天皇は十回近く訪問されたが、マッカーサーが答礼で皇居を訪れたことはない。解任されて離日するときも天皇陛下が挨拶に行かれた。高潔な人格に感銘を受けた人の行動だろうか。

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田中正明氏(故人)講演の動画、「パール博士の日本無罪論、南京虐殺の虚構」 は戦前戦中戦後を生きた方の迫力と説得力があった。大方の事象は知っていたが、自分のは抽象的な知識の集積に過ぎないから魂がこもっていなかった。田中氏は松井石根大将の秘書であり、目撃者、経験者で血と肉が覚えている。
マッカーサーはフィリピンの最高司令官であっただけでなくアメリカ陸軍大学校始まって以来の優等生だった。学校の成績が良いので出世を重ねた。やがて母校の校長になり教課制定に尽くした。軍人の間で尊敬されている理由と思われる。
ところが真珠湾攻撃のあと本間雅晴中将指揮下の日本軍に蹴散らされた。”I shall return.” と言って部下を捨てて家族だけでオーストラリアへ逃げた。敵前逃亡で輝かしい経歴に傷がついた。人望はなかったという人も多い。両方あいまって大統領位は部下だったアイゼンハワーに取られた。
本間雅晴中将は戦後フィリピンで死刑にされたのだが、形式上は裁判で有罪にしなければならない。その時に持ち出されたのがバターン死の行進だった。マッカーサーの復讐だったといわれる。

戦後の天皇位存続について田中正明氏の見解を初めて知ったのだが、これまでに聞いた中ででいちばん納得できた。体験者の肉声の故であったからだろうか。講演では、特攻隊を始め最後まで死力を尽くす日本人の戦い方が最大の原因だったという。
もし昭和天皇を投獄したりすれば日本人を押さえつけるために百万人のアメリカ軍人が必要になる。アメリカは未来永劫、日本人の憎悪を覚悟しなければならない。日本人の団結心を恐れて、占領政策をいかにするか知恵を絞らざるを得なかった。
昭和天皇訴追は国際法違反である。しかしソ連や中国やイギリスなどは復讐したくて仕方なかった。破壊本能だけで突っ走るのは革命思想の本質だ。また他人他国を平気で蹂躙するのは人間の本能の一つである。しかし国際社会は文明化してしまった。
大統領も首相も毎年施政方針演説をする。まさかカルタゴのように破壊し尽くすとは言えない。建前上はアメリカもイギリスもソ連でさえも人道主義国家なのだ。日本に対して残酷な仕打ちができたのは、日本が世界支配を企む邪悪国家だという宣伝洗脳が成功したからだ。事実と異なる洗脳は遅かれ早かれ解ける。
大戦末期すでにソ連共産主義国の剥き出しの牙は多くの米国民に観察され始めていた。彼らが日本は終始一貫して共産主義と戦っていたと知ったら、アメリカの開戦理由も疑われることになる。ここは穏便に自らの正体がバレないように済ませたいとの思惑が、天皇位には手をつけない結論になったのではないか。

動画の題名に「南京虐殺の虚構」が入っている。いまどき南京虐殺を信じる日本人はいないと思われるが、二十年前は論争になって断交した友達もいる。朝日新聞に本多勝一が’中国の旅’を連載した影響が大きかった。大新聞が嘘を書くはずはないと多くの人が信じていた頃である。個人的には渡部昇一先生の著書を読んだので虐殺の捏造騒ぎからは早く卒業できていた。田中正明氏はすべてご存知だった。

日本と日本人を弱体化するのは戦後アメリカの国策となった。そのためには日本人を歴史から切り離すのが一方法であった。教育改革の目標の一つは、古事記と日本書紀に基づく日本の歴史を教えず混乱させることだった。
古事記の代替品が「魏志倭人伝」であり、天照大神と大和朝廷の代わりに卑弥呼と邪馬台国が喧伝された。恣意的な占領政策とも思わず、日本人学者はせっせと魏志(偽史)を読み、千冊以上の研究書が出版された。莫大な知的エネルギーが偽りの物語の解釈に費やされた。そして邪馬台国の場所さえいまだにわからない。
日本は古事記と日本書紀をもとに建国された。その大本を隠して、邪馬台国と卑弥呼を教える。神武天皇から続く国であるという誇りを奪って日本人を離間し弱体化する。歴史戦をしかけられた結果がお花畑と言われる現代日本人の出現だ。
田中英道著「邪馬台国は存在しなかった」は戦後の謬説を排する。卑(卑しい)弥呼、邪(よこしまな)馬台国が日本人と日本の先祖だって?公式文書には古今東西美称が使われる。なぜ日本の先祖だけが蔑称なのか。仕掛けられた歴史戦から覚醒するときがきた。

 

 

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